伊藤英司のあやしい電子工作のお部屋

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<FT−712L>20W化プロジェクト


パワーモジュール




内部




ファイナル部



1、発端

それは元を正せば自宅のロケーションの悪さに端を発する。
その状態を改善すべくアンテナ(GP)をあと1m高く上げよう
と考えていたのだが、『風が吹けば桶屋が儲かる』的理論展開の
後、いつのまにかRIGの出力を上げるという話に擦り変わって
いたのだ!

2、材料(生け贄とも言う)

○FT−712L

八重洲の430MHzのRIG。受信改造をすると800MH
z帯を受信できるらしい。本体内蔵のスピーカーがなぜか底面に
付いているため音が本体内にこもること、もらい物のため説明書
が付属していないという二つの弱点を持つ。

○M57788M(パワーモジュール)

三菱製のパワーモジュール。FT−712Lのハイパワー機で
は元からこのモジュールが使われているそうである。

3、作業手順

@解体する

実はこのRIGの免許申請をする時にパワーモジュールが解らな
かったため、一度解体したことがある。フタのネジが数本無いのも
その時に無くしたからである。

A古いパワーモジュールを外す

半田を半田吸収線で丁寧に取りながら作業していたのだが、途中
で面倒臭くなり半ば強引にむしりとった。古いパワーモジュールは
後日のため大切に保管しておくことにした。ふふふ……。

B新しいパワーモジュールを取り付ける

新パワーモジュールを取り付ける時、はたと気付いた。「放熱の
ためのシリコングリスを塗らないとまずいよな」だが、貧乏な学生
にはそんなものを買う金など無い。結局、古いパワーモジュールに
塗られていたグリスを使うことになった。

C組み立てる

先ほどの作業で指に付いたシリコングリスの事などすっかり忘れ
て、組み立てはじめる。結果、本体がべたべたになった。後で奇麗
に拭いた。

D動作チェック

電源を入れて火を噴……かなかったので、たぶんOKだろう。こ
の時点で出力とSWRを測りたかったのだが、RIGよりパワー+
SWR計に繋ぐコネクターが無かったので断念。部室(YPZ)を
呼び出し、こちらの電波を受けてもらうことにした。

4、結果

20W化はどうやら成功したようである。本体を解体した後遺症
かどうかは分からないがくぐもったスピーカーの音が幾分かマシ
になり、今回の改造は大成功に思えた。が、送信時の消費電流
が妙に増えたこと(3.5Aぐらい→6A)、モービル運用は不可能
ではと思えるほどの熱を持つようになったことを考えると、可もなく
不可もなくといった感じだろうか。今後、暇があったら運用レポート
を制作することにして、今回の改造は終了した。

5、考察

出力を上げた分、受信感度を上げなければ駄目なRIGになってし
まうのは自明の理であろう。
伊藤:ここの同軸には受信信号だけが来ているから、ここから線
   を引っ張って、妙に空いたこの空間にアンプを押し込んで
   しまえばOKデスよ。
S水氏:それって、Sメーターを大きく振らせるだけのアンプになるよ。
…やはり、プリアンプはアンテナ直下につけなければ駄目であろう。
となればアンテナを降ろして、プリアンプをつけて、ついでにマスト
を2m程伸ばして……。あれ?





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