第3話 渡れ!妖しき罠の湘南大橋

国道1号を越えると、そこには一面の海が広がっていた。

どこまでも透き通った青、無秩序に飛び回るカモメたち……
ついにここまでたどり着いたかと思うと今までの疲れが無くなっていく気がした

しばらく進むと相模川があった。
普段の相模川は猛威を振るう。
川岸の街は何度も洪水に悩まされている。
しかし我々は非常に幸運だった。
増水しておらず、湘南大橋は健在。
これなら楽に渡れるだろう、と油断していた。

しかし、相模川は甘いものではなかったのだ。

「自転車は左側を通る」のは常識である。
しかし、この常識こそ疑うべきだったのだ。

左側は工事中で道が非常に狭かった。
迫りくる無数の自動車達の間を潜るようにして湘南大橋を駆け抜ける。
大型トラックに何度命を奪われそうになったことか……

右側には難なく通過していく同士達の姿があった。

相模大橋を抜けるとそこは絶望の世界、神奈川のタクラマカンと呼ばれる国道134だった……

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